中近東文化センター附属博物館には、イラン、エジプト、シリア、イラク、トルコ等で発見された古代中近東世界、古代地中海世界の遺物である土器、金・ガラス・青銅・鉄等で作られた武器、装身具、容器等、あるいは粘土板文書や印章等が数多く展示されています。それらはそれ自体、美しい色や珍しい形、驚くばかりの表現力で心をとらえます。しかし、一つ一つの展示品は、もっと驚くほどたくさんの情報を包み持っています。いつの時代に、どのような人が、どのようにして、どういう気持ちを込めてそれを作ったのか。その人はどういう土地に住んでいたのか、どんな生活をしていたのか。あるいは、それをいつ、誰が、どこで、どのようにして発見したのか。羊飼いが偶然見つけたのか、あるいは考古学者が生涯をかけて探し当てたのか。こんな情報の一つでも知った時、それまでガラスケースの中で、美しく、静かに佇んでいた遺物が、突然話し始めるかもしれません。展示品は数多くありますが、時にはその中の一つとじっくり向かい合ってみることも、博物館の楽しみ方の一つではないでしょうか。
中近東文化センター附属三笠宮記念図書館ではその活動理念として『次世代に語り継ぐもの』というテーマを掲げております。このテーマに沿った活動の一つとして毎月専門家の方々にお話を伺う「語る会」を催しております。中近東文化センター附属博物館の展示品の中から一つ、あるいは三笠宮記念図書館の蔵書の中から一冊を選び、その実物を前に、数々の興味深いお話を語って頂きます。