2008年11月22日(土)〜2009年5月6日(水・祝)

年間100万人が訪れるベルリンのペルガモン博物館。このヨーロッパ有数の博物館を訪れる人は誰も、中央大ホールに復元された巨大な建築物に目を奪われ、思わず息をのみます。ペルガモン博物館の至宝、ペルガモン大祭壇です。特に基壇部を取り巻く神々と巨人族の戦いを描いた浮彫フリーズは、ギリシア・ヘレニズム芸術の傑作とされています。
圧倒的な存在感をもって人々を魅了してやまないこの大祭壇はかつてトルコの北西部、エーゲ海沿岸に近いペルガモンのアクロポリスの丘に建っていました。アレクサンドロス大王の東征以後に始まるヘレニズム時代、ペルガモンはアッタロス朝ペルガモン王国(前281〜133年)の都として、ヘレニズム文化の最も栄えた都市でした。今から130年前、1878年にペルガモンを最初に発掘したドイツのカール=フーマンは「我々は一つの文化期全体を発見したのだ」という言葉を残しました。そしてこのフーマンによって大祭壇はベルリンに運ばれ、復元されたのです。
またヘレニズム時代は、ギリシア文化が、それまでにない地域的な広がりをみせた時代でもありました。ギリシア風(ヘレニスティク)の文化はやがて仏教と出会い、ガンダーラ仏教美術に結晶します。さらにその流れはシルクロードをへて遠く日本にまで到達することになるのです。
本展覧会は、ベルリンのペルガモン博物館「古代美術蒐集館」の協力をえて、未公開品を含む同館所蔵のペルガモン出土の貴重な資料や、ガンダーラ美術の国内最大コレクションを誇る平山郁夫コレクションのヘレニズム仏教の見事な融合を示す優品を展示し、地域と時代を超えて広がる「世界文化」ヘレニズムの魅力を紹介しようとするものです。
発掘者カール=フーマンと画家平山郁夫のまなざしを通して、ヘレニズム文化の時空をこえたダイナミズムに思いを馳せていただければと思います。