(財)中近東文化センター総裁就任に寄せて
−ごあいさつ−

 此の度、名誉総裁と理事長の強い要請があり、又“アナトリア考古学研究所建設募金委員会実行委員長”という立場もありますので、学者では無くて申し訳ありませんが総裁を引き受ける事に致しました。
 父が昭和50年初頭“中近東”の重要性を世に訴え、故出光佐三氏の御尽力があって本財団が設立開館した頃の事は良く憶えています。
 父の仕事とは距離を置いていた私の処に20年前、「日土修好100周年」の記念式典の為に訪土して欲しいとの父の伝言があった時は、正直な処、「何故俺が?」と吃驚仰天しました。そして、すぐ当時の護理事長と大村主任研究員が参邸され、見事な説得工作の為に、私はすっかり“親トルコ派”になり、挙げ句の果てに9年前から前記募金委の実行委員長として全国を駆け巡り、訪土も7回に及んでいます。
 色々な人々に、「親孝行ですね!」と言われるのですが、そうではなく、現地の発掘隊が、隊長以下見事な迄に、世界史を書き替える為に地道な発掘手段に基き世界遺産の保存・修復に努力し、地元密着型の素晴らしい人間関係を作り・育て・働いてもらっている事実に感銘を受けたからに他なりません。
 手前味噌になりますが、(財)中近東文化センター付属アナトリア考古学研究所(研究・収納・住居・展示各4棟)は、既に世界中の歴史学・考古学界から注目を集めていますし、“アナトリア考古学”のメッカになる事は間違い無いと思います。
 扠、私は、3年前から咽頭喉頭癌による手術の為、声を無くしてヴァイブレーターの力を借りて話しています。従ってどこ迄お手伝い出来るかは判りませんが、父が高齢な為、動きが少なくなった部分を補う事は出来ると思います。宜しくお願い致します。

諮m親王